ピル服用中の休薬期間には、人工的に引き起こされる消退出血という生理のようなものがあります。
また、生理があることによって、妊娠していないことがわかります。そのため、休薬期間中に生理がなく妊娠したのではと不安になる女性もいるでしょう。
ピルを服用しているのに生理がこないのは、妊娠しているからなのか、それとも他に原因があるのか、くわしく解説します。
目次
ピルを服用していて生理こないのはなぜ?
ピルの服用期間には休薬期間があります。1周期は28日間で7日間の休薬期間が設けられます。
28錠のシートではそのうち7錠は黄体ホルモンが含まれていないプラセボという偽薬です。
つまり、プラセボは服用しなくてもいいものというわけですが、飲み忘れ防止のためについています。特に、飲み忘れやすい休薬期間後の服用が忘れにくくなります。
どのピルの種類でも、ピルの休薬期間には2~3日目で消退出血といわれる生理があります。
普通の生理とは違い、ピルを服用しているため生理があったとしても排卵は起こりません。消退出血があることで、妊娠していないことも確認できます。
ピルを休薬期間を無視して飲み続けていると生理が来ないことも
ピルは21日間服用して7日間の休薬期間を設けますが、休薬期間を遅らせることで、生理日のコントロールができます。
避妊目的としてではなく、生理日の移動のため、一時的にピルを服用する女性もいるのです。
いずれにしても、ピルの服用日数を延長して生理日をずらした場合も、休薬期間を設ければ、2~3日程度で生理になります。
なお、服用期間をどこまで延長できるのかは処方されているピルの種類によっても違うため、医師に確認するようにしてください。
休薬期間を無視してピルを飲み続けていると、予期してしない消退出血、排卵するまでに起こる破綻出血が起きたり、ピルの服用をやめても生理が来ないことがあります。
それでも生理が来ない場合は医師の診察を受ける
休薬期間をきちんと設けたのに生理が来ないときは、自己判断で次のシートを飲み始めるより、医師に診察してもらうことをおすすめします。
性行為があったのであれば、妊娠していないかどうか検査しなければいけません。
そのうえで、生理がこないのがピルの副作用によるものかなど調べます。そして、今後のピルの服用について相談します。
ピルを飲んでいて生理がこないときの妊娠可能性は?
ピルの休薬期間では生理(消退出血)があることによって、妊娠していないことがわかります。
ピルを飲んでいても飲んでいなくても、妊娠が成立すれば生理は起こらなくなります。
では、ピルを飲んでいて生理がこないときの妊娠の可能性はどのくらいあるのでしょうか。ピルの避妊率から確認していきます。
ピルを服用している時の妊娠率
ピルの妊娠率は、きちんとした服用ができているのであれば0.3%、飲み忘れたり飲む時間がずれたりなどしている場合は8%とされています。
避妊なしでは85%、コンドームではきちんとした使用方法で2%、一般的な使用方法で15%となっています。
そのため、日本国内で一般的であるコンドームによる避妊と比較して、高確率で避妊できることがわかるはずです。
なお、この妊娠率はその避妊方法を使用してから1年間の妊娠率となっています。
参考文献:日本産婦人科学会
ピルの休薬期間の妊娠率
ピルの休薬期間中は、ピルに配合されている黄体ホルモンを摂取しないことになります。
これまできちんとピルを服用していたのであれば、卵子が育たず排卵もできないため、妊娠しないということになります。
つまり、休薬期間も避妊効果が維持されるということです。ですが、それはあくまできちんとピルが服用できていたということが前提となります。
また、気を付けなければいけないのは、休薬期間後にピルを飲み忘れてしまうことです。
ピルの飲み忘れがあると妊娠している可能性もある
ピルの服用期間中に飲み忘れがあると、本来であれば妊娠率は0.3%ですが8%にまで高まります。
わかりやすくいうと、1年間のうち100人のうち8人くらいが妊娠してしまうということです。
そのため、普段から飲み忘れに気を付けるとともに、飲み忘れに気が付いたときは、すぐに対処することが大切です。
また、場合によっては他の避妊方法と併用したり、ピルの服用を一時的に見合わせることもあります。
参考文献:日本産婦人科学会
アドバイザー
松本理沙
美容医療アドバイザー 編集長
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