ピル服用中に生理がきたのはなぜ? 消退出血と不正出血の違い

ピル服用中の休薬期間には消退出血といわれる生理があり、ピルを服用していて休薬期間を設けているのであればくるものです。しかし、ピル服用中には休薬期間以外に生理がくる「不正出血」がみられ、いくつか原因が疑われます。

ピルの服用中の生理は消退出血か不正出血

ピルの服用中の生理は、消退出血と不正出血のどちらかになります。休薬期間中であれば消退出血、それ以外であれば不正出血です。

不正出血とは、ホルモンの異常、性器から(生理以外で)出血することです。不正出血の場合、いくつか原因が疑われます。

場合によっては診察のうえ治療を受けなければいけないこともあるため、注意が必要です。

休薬期間に生理が来たら消退出血

ピルは1周期28日間となっており、そのうち7日間が休薬期間です。休薬期間に卵巣、子宮を機能させることで、健康な状態が維持されます。

ピルをきちんと服用していれば、休薬期間中でも排卵は起こらないため、黄体ホルモンを内服していないことで妊娠はしないといえます。

ただし、ピルの飲み忘れや飲む時間のずれなどによって、避妊率が低くなっていると妊娠の可能性が高まります。

この休薬期間中の消退出血は、ピルの服用をストップして2~3日目に起こり数日間続きます。

普通の生理に比較すると、出血量が少なく、人によっては出血期間が短いことがあります。

休薬期間中に生理が来ないと、妊娠しているかもしれないので、妊娠検査をしましょう。

休薬期間以外は不正出血の可能性がある

ピルには黄体ホルモンが含まれており、服用することで排卵が抑えられ、避妊効果などが得られます。

そのため、服用中は卵子も育ちません。休薬期間であっても、卵子が育っていないため排卵もできないまま、子宮内膜が剥がれ落ち、生理同様に出血します。

休薬期間外は消退出血ではなく、予期しない不正出血の可能性があり、場合によってはできるだけすぐに病院を受診しなければならないこともあるため、注意が必要です。

ピルの服用中の不正出血の原因3選

休薬期間以外の不正出血では、ピルの副作用として不正出血がみられますが、けっして珍しいことではなく心配もいりません。

他には、ピルの飲み忘れによる消退出血が原因のこともあります。

特に、飲み忘れがないのにもかかわらず、普段の生理と同じくらいかそれ以上の出血や腹痛がある場合は、医師の診察を受けたほうがいいでしょう。

飲み忘れによる消退出血の可能性 ⇒ ピルの副作用による可能性

ピルの副作用による不正出血はピルの服用を始めた女性のおよそ20%にみられるといわれているため、それほど珍しいことではありません。

黄体ホルモンを内服することでホルモンバランスが崩れるからだと考えられています。ピルの服用を継続することで、不正出血はみられなくなっていきます。

ですが、不正出血を繰り返したり、出血量が多かったり、腹痛をともなうようであれば、病院で診察を受けたほうがいいでしょう。

場合によっては、処方するピルの種類を変更することもあります。

子宮内膜症・子宮筋腫などの病気の可能性

女性の不正出血はピルの服用以外にも原因が考えられます。

炎症による萎縮性腟炎、子宮内膜炎、ホルモン異常による卵巣機能不全。

さらに子宮内のポリープ、子宮筋腫などの良性腫瘍、他にも卵巣腫瘍、子宮肉腫などの悪性腫瘍が原因としてあげられます。

場合によってはピルを服用できなかったり、早期治療が必要だったりするため、ピルを処方された病院に相談するようにしましょう。

妊娠の可能性

妊娠初期に着床出血がみられることがあり、出血のタイミングが生理日に該当するため、生理がきたと勘違いする女性もいます。

着床出血は子宮内に受精卵が着床するとき、子宮内膜が傷付くことで起きます。

ですが、普通の生理と比較すると、生理期間が1~2日、長くても3~4日程度と短く出血量も少ないのが特徴です。

とはいえ、着床出血は妊娠したすべての女性に起こるものではありません。割合としては4人に1人以下といわれています。

不正出血したから妊娠したとは言い切れませんが、ピル服用中の不正出血が妊娠によるものである可能性があるといえるでしょう。

ピル服用中の生理は見極めて相談を

ピル服用中の生理は休薬期間中であれば消退出血ですが、それ以外のタイミングであれば不正出血が疑われます。

ピル服用初期の副作用として不正出血があり、服用を続けることでなくなります。

飲み忘れによる消退出血、妊娠による着床出血ということもあります。

そのため、出血が長引いたり、出血量が多かったり、腹痛をともなったりする場合は、病院を受診するようにしましょう。

アドバイザー

松本理沙

美容医療アドバイザー 編集長


自身の経験を活かし、5000本以上の美容医療の記事を作成。3年間の続発無月経とホルモン治療・多嚢胞性卵巣症候群・PMS・骨盤腹膜炎・子宮頸癌ステージⅡaなど婦人科疾患を経験。バランス維持と自身の体を守るためにピルの服用を開始し、6年間服用中。

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