水虫・爪水虫

水虫は足の裏や足の指の間などに「白癬菌」というカビが寄生して起こる感染症です。
白癬菌は皮膚や毛髪を構成する成分のケラチン(硬タンパク質)を好み、ケラチン組織であれば体のどの部分にも寄生する可能性があります。
その中で足にできる白癬を「足白癬」といい、一般的に水虫と呼ばれています。角質の一部を採取し、顕微鏡を用いて検査を行い、水虫かどうかを診断いたします。その結果と皮膚の状態により、外用薬を選択し治療を始めます。

水虫ができている部位に応じてさまざまな名称が付いていますが、これらはすべて白癬菌による水虫です。

足は水虫(足白癬)、爪は爪水虫(爪白癬)、股はいんきんたむし(股部白癬)、体はたむし(体部白癬)、頭はしらくも(頭部白癬)です。

水虫・爪水虫の原因

白癬菌が好む環境が一番に上げられます。

白癬菌は真菌(カビ)ですので、高温多湿を好み、ケラチンを栄養源とするため、 足の裏や足指の間などが白癬菌にとって最も住みやすい場所になっているのです。

角質層の主成分のケラチンは水虫の栄養源となり、根絶に時間がかかりますが、剥がれ落ちた皮膚に住み着いていた水虫は、栄養源を絶たれ数週間で死滅します。
しかし水虫の感染経路は、この剥がれ落ちた皮膚からによるものが最も多いのです。
その為、複数の人が使うバスルームの足ふきマットやスリッパなど湿った温かい場所は特に要注意になります。

白癬菌は少し触れた程度ではうつりませんし、空気感染や直接接触による感染はほとんどないと考えられています。
高温多湿の白癬菌が好む環境が継続した時に白癬菌は増え始め、水虫の症状が現れます。

水虫・爪水虫の治療

水虫によく似た症状を示す疾患は多くありますので、皮膚科専門医による正しい診断が必要だといえます。

また市販の水虫薬だけで治すことは難しく、 特に爪水虫の場合では軟膏が爪の中の白癬菌まで薬が届かないため、医師の診断を受け内服薬での治療が必要になります。

自己判断で誤った診断や治療を始める前に、皮膚科専門医に相談することをおすすめします。


フケ症(脂漏性湿疹)

頭、顔面、前胸部、腋窩、陰股部などの脂漏部位(皮脂が出やすい部位)に一致 して赤くカサカサした湿疹ができる病気で、フケ症もこの一種です。

フケ症の原因

成人の脂漏部位に生じるので、皮脂の過剰分泌が原因といわれていますが、最近の研究結果では、マラセチアというカビ(真菌)の一種が発症に関与するのではないかともいわれています。

原因について、まだわかっていないこともありますが、生活サイクルの乱れ、ホルモンバランスの崩れ、ストレス、偏った食生活(ビタミンB群の不足)なども脂漏性皮膚炎の発症・悪化に関わっているようです。

脂漏性皮膚炎の治療には、医師が処方する塗り薬や飲み薬だけでなく、皮膚を清潔に保ち、皮脂を適度な量に保つなどの日頃からのケアも大切です。

日常生活の注意点

毎日の食事は栄養のバランスを考慮し、また皮脂分泌を抑制することできるといわれているビタミン(ビタミンB群、ビタミンEなど)を豊富に含む食事をとるのがよいでしょう。

丁寧に頭皮を洗ったり、顔を洗うことが重要です。しかし、洗いすぎは逆効果です(皮膚がカサカサになる)ので注意が必要です。洗髪は必ず毎日というわけではなく、痒みがない、フケがでない、といったことを目安に。

フケ症の治療

従来よりステロイド(副腎皮質ホルモン)外用剤が非常に有効です。ただし、病気自体が慢性的なものですので、治療をやめると再発する傾向にあります。 長期にわたり使い続けることもあるので、ステロイド(副腎皮質ホルモン)の副作用が生じないように皮膚科専門医で症状に合わせた使い分けが非常に重要です。

最近では、長期間の使用でも、ステロイド(副腎皮質ホルモン)外用剤にみられるような副作用がないケトコナゾールという抗真菌薬(水虫などの薬)が脂漏性皮膚炎に有効であることがわかってきています。 ケトコナゾールと似たミコナゾールという成分の入っているシャンプーやリンスも市販されています。
ご紹介いたしますので、お気軽にご相談下さい。