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乳児脂漏性皮膚炎

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乳児脂漏性皮膚炎とは?赤ちゃんの頭や顔にできるかさぶた状の皮膚トラブル

乳児脂漏性皮膚炎とは、生後間もない赤ちゃんに多く見られる皮膚炎で、頭皮や眉毛、額、耳の周囲など、皮脂の分泌が多い部位に現れるのが特徴です。黄色っぽいかさぶたやフケのようなものが付着し、「汚れているのでは?」と感じることもありますが、実際には皮膚の炎症による変化です。

発症は生後数週間〜数ヶ月頃が多く、成長とともに自然に改善していくケースが一般的です。しかし、見た目のインパクトに反して軽視されやすく、適切なケアが行われないことで長引いたり、炎症が強くなってしまうこともあります。

例えば、頭皮のかさぶたが厚くなり続けている、眉毛や鼻の周囲まで広がってきたといった場合は、単なる乾燥ではなく脂漏性皮膚炎の可能性が高い状態です。

「皮脂の多い部位に繰り返し出る+かさぶた状になる」ことが重要な特徴であり、見た目だけで判断せず適切な対応を続けることが大切です。

原因|皮脂分泌と皮膚環境のバランスの乱れ

乳児脂漏性皮膚炎の主な原因は、赤ちゃん特有の皮脂分泌の多さと、それに伴う皮膚環境の変化です。生後間もない時期は母体由来のホルモンの影響により皮脂分泌が活発になり、一時的に“脂っぽい肌状態”になります。

この皮脂が皮膚表面に残りやすくなることで毛穴が詰まり、さらに常在菌とのバランスが崩れることで炎症が起こります。その結果、黄色いかさぶたや赤みとして現れます。

また、洗い不足で皮脂が蓄積する場合だけでなく、逆に洗いすぎによって皮膚のバリア機能が低下することも悪化要因になります。つまり「落とし方のバランス」が非常に重要です。

「皮脂の過剰+ケアのバランス崩れ」が発症の背景であり、単純に“洗えばいい”わけではない点がポイントです。

皮脂分泌の増加

ホルモンの影響で一時的に皮脂が多くなり、毛穴が詰まりやすい状態になります。

毛穴の詰まり

皮脂や角質がたまることで炎症が起こり、かさぶた形成につながります。

皮膚環境の変化

常在菌とのバランスが崩れることで、炎症が起こりやすくなります。

症状の特徴|黄色いかさぶたと赤みが目立つ皮膚変化

乳児脂漏性皮膚炎では、黄色〜黄白色のかさぶたやフケ状の付着物が特徴的に見られます。頭皮だけでなく、眉毛、鼻の周囲、耳の後ろなどにも広がることがあります。

かゆみは比較的少ないことが多く、赤ちゃんがあまり気にしていないケースもありますが、炎症が強くなると赤みが広がり、ジュクジュクとした状態に進行することもあります。

また、「取ってもすぐ出てくる」「日に日に厚くなる」といった変化は進行サインであり、ケアの見直しが必要なタイミングです。

「見た目の変化が続くかどうか」が重要な判断ポイントです。

対処法|やさしい洗浄と“やりすぎないケア”が鍵

泡でやさしく洗う

ベビー用シャンプーで泡を使い、皮脂をやさしく落とします。こすらず“なでるように洗う”ことが重要です。

無理に剥がさない

かさぶたを強く剥がすと皮膚を傷つけ、炎症や感染の原因になります。自然に取れるのを待つのが基本です。

保湿でバリアを整える

洗浄後の保湿で皮膚環境を安定させることで、回復を促し悪化を防ぎます。

ケアを継続する

すぐに変化がなくても、数日〜数週間単位で継続することが重要です。

受診を検討する目安

  • 赤みが強くなっている
  • ジュクジュクしている
  • 広範囲に広がっている
  • 長期間改善しない
  • 他の湿疹と区別がつかない

乳児脂漏性湿疹は皮脂の過剰分泌や常在菌が影響して頭皮や顔に黄色いカサブタができるため、「市販のベビーオイルや石鹸の洗い流しだけでは綺麗に治らない」ことがあります。

特に、カサブタの範囲が広がって厚くなる・赤みやジュクジュク・においを伴う変化が見られる場合、皮膚の炎症が悪化したり細菌感染を併発したりしているサインです。

「そのうち自然に剥がれ落ちる」と自己判断して無理に爪で剥がそうとせず、赤みや湿疹の変化に気づいた段階で正しく対処することが、お肌のトラブルや重症化を防ぐポイントです。

まとめ|乳児脂漏性皮膚炎は“ケアのバランス”で差が出る

乳児脂漏性皮膚炎は自然に改善することが多いものの、ケアの方法によって経過が大きく変わる皮膚トラブルです。

「落としすぎない・残しすぎない」というバランスが最も重要であり、日々のケアの質が改善スピードに直結します。

気になる症状が続く場合は、お気軽にご相談ください。

関連動画|当院の理事長(皮膚科専門医)による分かりやすい解説

【皮膚病】脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)の原因、症状、スキンケアのコツと治療法について皮膚科医が解説(頭・生え際・顔のフケ、赤み、痒み、マラセチア)

皮膚の病気や美肌に役立つ情報等、皮膚科専門医がYouTubeで分かりやすく動画解説しています。

乳児脂漏性皮膚炎に関するよくある質問

Q:自然に治りますか?

乳児脂漏性皮膚炎は、赤ちゃん特有の一時的な皮脂分泌の増加が関係しているため、多くの場合は成長とともに自然に改善していきます。特に生後数ヶ月を過ぎると皮脂の分泌が落ち着き、症状が軽くなっていくケースが一般的です。そのため「ずっと続く病気なのでは」と過度に心配する必要はありません。

ただし、自然に良くなるとはいえ、何もせずに放置してよいわけではありません。皮脂が過剰に残った状態が続くと炎症が長引いたり、かさぶたが厚くなることがあります。適切な洗浄と保湿を継続することで、回復を早めることができるため、日常ケアの質が経過に大きく影響します。

Q:どのくらいで治りますか?

軽度の場合は数週間程度で改善することもありますが、症状の程度や範囲によっては数ヶ月かかることもあります。特に頭皮に厚いかさぶたが広がっている場合や、顔まで症状が出ている場合は、やや長引く傾向があります。

また、回復期間はケアの方法によって大きく左右されます。正しく洗えていない、逆に洗いすぎているなどの状態があると改善が遅れることがあります。焦って強くこすったり無理に剥がしたりせず、適切なケアを継続することが回復への近道です。

Q:かゆみはありますか?

乳児脂漏性皮膚炎は、一般的に強いかゆみを伴うことは少ないとされています。そのため、見た目の割に赤ちゃんがあまり気にしていないケースも多く見られます。ただし、炎症が強くなると軽い不快感を伴うこともあります。

例えば、頭をこするようなしぐさが増えたり、不機嫌な時間が長くなる場合は、違和感を感じている可能性があります。このような場合は症状が進んでいるサインとも考えられるため、ケアの見直しや状態の確認が重要になります。

Q:かさぶたは取った方がいいですか?

基本的には無理に剥がすことは避けるべきです。かさぶたを強く取ろうとすると、その下の皮膚を傷つけてしまい、炎症や出血、さらには感染の原因になることがあります。見た目が気になっても自然に取れるのを待つことが大切です。

どうしても気になる場合は、入浴前にベビーオイルなどでふやかし、洗浄時にやさしく落とす方法が推奨されます。ただし、この場合でも“こすらない”ことが大前提です。力を加えないケアが回復を早めるポイントになります。

Q:再発することはありますか?

皮脂分泌が活発な時期は、一度改善しても再び症状が出ることがあります。特に気温や湿度の変化、ケアの状態によっては同じ部位に繰り返し現れることも珍しくありません。

ただし、この再発も一時的なものであり、成長とともに皮脂分泌が安定すれば自然と起こりにくくなります。重要なのは「繰り返す=異常」ではなく、「体の成長過程の一部」と理解しつつ、日常ケアを継続することです。

Q:保湿は必要ですか?

はい、保湿は非常に重要です。脂漏性皮膚炎は皮脂が多い状態で起こりますが、それでも皮膚のバリア機能は不安定になっているため、適切な保湿が必要になります。

洗浄後に保湿を行うことで、皮膚の水分と油分のバランスが整い、炎症の悪化を防ぐことができます。ベビー用の低刺激な保湿剤を使用し、やさしく塗ることがポイントです。

Q:他の湿疹との違いは何ですか?

乳児脂漏性皮膚炎は「黄色いかさぶたが皮脂の多い部位に出る」という点が特徴です。これに対して、あせもは汗がたまりやすい部位に赤いブツブツが出る、アトピー性皮膚炎はかゆみが強く乾燥を伴うなど、それぞれ特徴が異なります。

ただし、見た目だけでは判断が難しい場合もあります。特に症状が長引く場合や広がっている場合は、別の皮膚トラブルが関与している可能性もあるため、経過をしっかり観察することが重要です。

この記事の監修医師
玉城 有紀(Yuki Tamaki)

東京(自由が丘、二子玉)と神奈川(川崎)で「自由が丘ファミリー皮ふ科」「二子玉川ファミリー皮ふ科」「溝の口駅前皮膚科」を運営する医療法人義恵会 理事長。

専門・所属学会
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 日本皮膚科学会
  • 日本美容皮膚科学会
  • 神奈川県皮膚科医会
出版書籍
メディア出演
  • めざましテレビ(フジテレビ)
  • ホンマでっか!?TV (フジテレビ)
  • ワールド極限ミステリー(TBSテレビ)
  • ありえん♾️世界(テレビ東京)
  • 林修の今、知りたいでしょ!(テレビ朝日)
  • ZIP(読売テレビ)

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