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かゆみ外来

かゆみ外来とは?繰り返す・長引くかゆみの原因を考える専門外来

かゆみ外来は、「皮膚がかゆくて眠れない」「薬を塗ると一度は良くなるのに繰り返す」「湿疹が見当たらないのにかゆい」など、さまざまなかゆみについて原因を考え、症状に合わせた治療やスキンケアを行う外来です。かゆみは単なる不快感ではなく、湿疹・皮膚炎、乾燥肌、じんましんなど、さまざまな皮膚トラブルによって現れる代表的な症状の一つです。

皮膚がかゆいと無意識に掻いてしまいますが、強く掻くほど皮膚表面が傷つき、皮膚を外部刺激から守る「バリア機能」が低下します。すると、わずかな汗や摩擦、衣類などの刺激にも敏感になり、さらにかゆみが強くなることがあります。この「かゆい→掻く→皮膚が傷つく→さらにかゆくなる」という悪循環が続くと、症状が慢性化する原因になります。

また、かゆみの原因は見た目だけでは分からないことがあります。皮膚が赤くなる湿疹だけでなく、乾燥による皮脂欠乏症、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、じんましん、虫刺され、真菌などによる感染症など、さまざまな病気がかゆみを引き起こします。原因によって必要な治療が異なるため、「とりあえずかゆみ止めを塗る」だけでは改善しない場合があります。

かゆみ外来では、症状が現れる場所や時間帯、皮膚の状態、いつから続いているのか、悪化するきっかけなどを確認しながら原因を考えていきます。かゆみそのものを抑えるだけでなく、「なぜかゆくなっているのか」を確認して悪循環を断つことが、長引く症状を改善するための大切なポイントです。

なぜ皮膚はかゆくなる?かゆみが起こる原因と仕組み

かゆみは、皮膚に存在する神経がさまざまな刺激を受け、その情報が脳へ伝わることで感じる感覚です。炎症によって放出される物質や皮膚の乾燥、アレルギー反応などが神経を刺激すると、「掻きたい」という感覚が生じます。

代表的な原因の一つが皮膚の乾燥です。健康な皮膚では角質層が外部からの刺激を防ぎ、内部の水分が逃げるのを抑えています。しかし、乾燥によってバリア機能が低下すると、普段であれば問題にならない程度の摩擦や温度変化、衣類などの刺激にも皮膚が反応しやすくなります。

一方、湿疹やアトピー性皮膚炎、接触皮膚炎などでは皮膚に炎症が起こり、それに伴ってかゆみが現れます。じんましんではヒスタミンなどの物質が放出され、突然強いかゆみとともに赤く盛り上がった発疹が現れることがあります。

さらに、皮膚を掻く刺激そのものが炎症を悪化させ、新しいかゆみを引き起こすことがあります。原因となる皮膚トラブルへの治療と、掻くことで生じる悪循環の両方に対応することが重要です。

皮膚の乾燥

空気が乾燥する秋から冬、高齢による皮脂分泌の低下、洗浄力の強い石けんや長時間の入浴などによって皮膚の水分や皮脂が失われると、バリア機能が低下してかゆみが起こりやすくなります。すねや腰まわり、背中、腕などに症状が現れることがあります。

湿疹・皮膚炎

湿疹や皮膚炎では、赤み、小さなブツブツ、皮むけ、ジュクジュクなどとともにかゆみが現れます。掻き続けることで皮膚が厚く硬くなったり、色素沈着が残ったりすることもあるため、早い段階で炎症を抑えることが大切です。

アレルギーやじんましん

じんましんでは、突然皮膚が赤く盛り上がり、強いかゆみを伴うことがあります。また、化粧品や金属、植物、衣類、外用薬などが皮膚に触れることで接触皮膚炎を起こし、かゆみや赤みにつながる場合もあります。

感染症によるかゆみ

水虫などの真菌感染症や疥癬などでも、かゆみが現れることがあります。感染症の場合は単純に炎症やかゆみを抑えるだけでは十分ではなく、原因となっている真菌やダニなどに対する治療が必要になります。

こんなお悩みはありませんか?かゆみ外来で相談できる症状

かゆみ外来では、皮膚に赤みや湿疹がある場合だけでなく、「見た目には大きな異常がないのにかゆい」「夜になるとかゆくなる」「同じ場所を何度も掻いてしまう」といった症状についても相談できます。

例えば、乾燥肌によるかゆみでは、皮膚表面に細かな粉をふいたような状態がみられたり、入浴後や布団に入って体が温まったときにかゆみが強くなったりすることがあります。反対に、じんましんでは赤く盛り上がった発疹が突然現れ、数時間以内に消えて別の場所へ現れることがあります。

また、「ずっと同じ場所だけがかゆい」「手や足だけに症状がある」「家族にも同じようなかゆみがある」といった情報が、原因を考える手がかりになることもあります。かゆみのある場所だけではなく、症状が出る時間帯や生活環境なども重要です。

かゆみは症状の出方や経過によって考えられる原因が大きく異なるため、「かゆみ止めを使っているのに治らない」という場合には、原因そのものを改めて確認することが大切です。

全身がかゆい

腕や脚だけではなく、背中やお腹など広い範囲にかゆみがある場合には、乾燥肌や湿疹などさまざまな原因が考えられます。特に冬場に全身の皮膚が乾燥して粉をふいたようになり、入浴後や就寝時にかゆみが強くなる場合があります。

夜になるとかゆみが強くなる

布団に入って体温が上がったときや入浴後などに、かゆみを強く感じることがあります。また、夜間に特に強いかゆみが出る疾患もあるため、「いつかゆいのか」という時間帯も原因を考える重要な情報になります。

同じ場所を繰り返し掻いてしまう

慢性的に同じ場所を掻き続けると、皮膚が厚く硬くなったり、色が濃くなったりすることがあります。皮膚が傷つくことでさらに刺激を感じやすくなり、かゆみと掻破の悪循環が続いてしまうことがあります。

市販のかゆみ止めを使っても改善しない

かゆみの原因によって必要な治療は異なります。湿疹、じんましん、真菌感染症などではそれぞれ治療方法が異なるため、市販薬を使用しても改善しない場合には、現在の皮膚症状と原因を改めて確認することが重要です。

かゆみ外来で行う主な治療と日常ケア

皮膚の炎症を抑える

湿疹や皮膚炎によるかゆみでは、皮膚の炎症を適切に抑えることが重要です。症状の強さや部位などに合わせて外用薬を使用し、赤みや湿疹、かゆみの改善を目指します。皮膚の状態に応じて薬の種類や強さ、使用する期間などを調整します。

かゆみそのものを抑える

じんましんなどでは、症状に応じて抗ヒスタミン薬などの内服薬を使用することがあります。夜間のかゆみで眠れないなど、日常生活に影響している場合には、かゆみの程度や症状の経過を確認しながら治療を考えます。

保湿によってバリア機能を整える

乾燥が関係するかゆみでは、保湿剤を使用して皮膚の水分を保ち、バリア機能を整えることが重要です。特に入浴後は皮膚の水分が失われやすいため、皮膚が乾燥する前に保湿する習慣をつくることが役立ちます。

原因となる刺激を避ける

衣類の摩擦、化粧品、洗剤、汗、熱いお湯などが刺激となっている場合には、それらをできるだけ避けることも治療の一部です。接触皮膚炎が疑われる場合には、症状が出始めた時期に新しく使用した製品などを振り返ることも大切です。

掻かない環境をつくる

「掻かないように我慢する」だけでは、強いかゆみを抑えることは難しい場合があります。原因への治療と保湿、刺激を減らす工夫を組み合わせ、そもそも掻きたくなる状態を減らしていくことが重要です。爪を短く整えておくことも、無意識に掻いたときの皮膚へのダメージを減らすために役立ちます。

受診を検討したいかゆみの目安

  • かゆみが長期間続いている
  • 赤みや湿疹が広がっている
  • 夜眠れないほどかゆみが強い
  • 同じ場所を何度も掻き壊してしまう
  • 市販薬や保湿を続けても改善しない

かゆみは身近な症状であるため、「乾燥しているだけだろう」「そのうち治るだろう」と考えて様子を見てしまう方も少なくありません。しかし、かゆみの背景には乾燥肌だけでなく、湿疹、アトピー性皮膚炎、じんましん、感染症など、さまざまな皮膚疾患が隠れている場合があります。

特に、かゆみで眠れない、掻き壊して出血している、湿疹が広がっている、同じ症状を何度も繰り返している場合には、かゆみと掻破による悪循環が続いている可能性があります。強く掻き続けると皮膚の炎症が悪化し、さらに刺激に敏感な状態になることがあります。

市販のかゆみ止めを長期間使い続けても改善しない場合には、薬が弱いとは限りません。そもそも原因に合った治療ができていない可能性もあります。かゆみが生活や睡眠に影響している場合や症状を繰り返している場合には、皮膚の状態を確認して原因に合わせた対処を考えることが大切です。

まとめ|かゆみは原因を見極めて「掻く悪循環」を断つことが大切

かゆみは、乾燥肌や湿疹、アトピー性皮膚炎、じんましん、接触皮膚炎、感染症など、さまざまな原因によって起こります。見た目が似ていても原因によって治療方法が異なるため、症状が続いている場合には「何がかゆみを起こしているのか」を考えることが重要です。

また、かゆみを感じると掻きたくなりますが、掻くことで皮膚のバリア機能が傷つき、さらに炎症とかゆみが強くなる場合があります。そのため、治療では薬で症状を抑えるだけではなく、保湿や入浴方法、衣類、生活環境なども含めて皮膚への刺激を減らすことが大切です。

「かゆいから掻く、掻くからさらにかゆくなる」という悪循環を早い段階で断つことが、慢性的なかゆみを改善するための重要なポイントです。長引くかゆみや繰り返す湿疹、睡眠を妨げるほどの症状がある場合には、我慢を続けず原因に合わせた対処を検討しましょう。

気になる症状が続く場合は、お気軽にご相談ください。

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かゆみ外来に関するよくある質問

Q:湿疹が見当たらないのに皮膚がかゆいのはなぜですか?

皮膚に目立った赤みやブツブツがなくても、かゆみが起こることはあります。代表的なのが乾燥によるかゆみです。皮膚表面の水分や皮脂が不足するとバリア機能が低下し、衣類の摩擦や温度変化など、普段なら問題にならない刺激にも神経が反応しやすくなることがあります。特に秋から冬、高齢の方、入浴時に熱いお湯を好む方などでは、乾燥が原因となって全身にかゆみを感じる場合があります。

一方で、皮膚に目立った発疹がないかゆみでは、皮膚以外の原因について確認が必要になる場合もあります。そのため、「見た目に何もないから皮膚の問題ではない」と決めつけないことが大切です。保湿を続けても改善しない、全身のかゆみが長期間続く、夜眠れないほど強いなどの場合には、いつから・どの場所に・どのような状況で症状が出るのかを整理したうえで相談しましょう。

Q:夜になるとかゆみが強くなるのはなぜですか?

かゆみは時間帯によって感じ方が変化することがあります。布団に入って体が温まると皮膚の血流が増え、かゆみを強く感じる場合があります。また、昼間は仕事や家事などに意識が向いているため気にならなかったかゆみが、夜の静かな環境になることで意識されやすくなることもあります。入浴後の乾燥によって、就寝する頃にかゆみが強くなっているケースもあります。

ただし、夜間に強いかゆみが現れる皮膚疾患もあるため、「夜にかゆい=乾燥」と決めつけることはできません。特に家族にも同じようなかゆみがある、手首や指の間など特定の場所に強いかゆみがある、毎晩眠れないほど症状が続くといった場合には、原因を確認することが重要です。かゆみが強くなる時間帯も診断につながる大切な情報なので、受診時に伝えるようにしましょう。

Q:かゆいところを掻いてはいけないのでしょうか?

かゆみがあると掻きたくなるのは自然な反応であり、強い症状を意志だけで我慢し続けるのは簡単ではありません。しかし、皮膚を繰り返し強く掻くと角質層が傷つき、バリア機能が低下します。その結果、衣類や汗などの刺激にも敏感になり、さらにかゆみが強くなるという悪循環が起こることがあります。長期間同じ場所を掻くと、皮膚が厚く硬くなったり色素沈着が残ったりすることもあります。

そのため、「絶対に掻いてはいけない」と我慢するだけではなく、かゆみそのものを適切に抑えることが重要です。原因となる炎症への治療、保湿、室温や衣類の調整などを組み合わせ、掻きたくなる状態を減らしていきます。爪を短く整えておくことや、入浴時に熱すぎるお湯を避けることも皮膚への刺激を減らすために役立ちます。

Q:乾燥肌のかゆみには保湿剤だけで十分ですか?

乾燥による軽いかゆみであれば、保湿によって皮膚のバリア機能を整えることで症状が改善することがあります。特に入浴後は皮膚の水分が失われやすいため、肌が乾燥しきる前に保湿剤を塗ることが大切です。また、熱いお湯への長時間の入浴や皮膚を強くこする洗い方などを避けることも、乾燥を防ぐための重要なポイントです。

一方、すでに赤みやブツブツ、掻き傷などの湿疹が生じている場合には、保湿だけでは炎症を十分に抑えられないことがあります。このような場合は、症状に合わせて炎症を抑える治療が必要になることがあります。「乾燥しているから保湿だけ」と決めつけず、炎症が加わっていないか確認することが大切です。

Q:市販のかゆみ止めを使い続けても大丈夫ですか?

市販のかゆみ止めで一時的に症状が改善することはありますが、長期間繰り返しているかゆみに対して、原因を確認せず同じ薬を使い続けることはおすすめできません。かゆみには乾燥、湿疹、じんましん、接触皮膚炎、真菌感染症などさまざまな原因があり、必要な治療はそれぞれ異なります。症状に合っていない薬では改善しないだけでなく、皮膚の状態が分かりにくくなる場合もあります。

「塗っている間だけ良くなるが中止するとすぐ再発する」「数週間使っても改善しない」「以前より範囲が広がっている」という場合には、薬を次々に変更するよりも原因を確認することが大切です。また、使用している市販薬がある場合には、商品名や成分が分かるものを受診時に伝えることで、それまでの治療経過を判断する参考になります。

Q:かゆみがあるときはお風呂に入らないほうがいいですか?

かゆみがあるからといって、必ずしも入浴を避ける必要はありません。汗や皮膚表面の汚れが刺激になっている場合には、やさしく洗い流して清潔を保つことが大切です。ただし、熱いお湯に長時間つかったり、ナイロンタオルやボディブラシなどで強くこすったりすると、必要な皮脂まで失われて皮膚が乾燥し、入浴後にかゆみが強くなることがあります。

入浴時は熱すぎないお湯を使用し、洗浄料を十分に泡立てて手でやさしく洗うことを意識しましょう。入浴後はタオルで強くこすらず、押さえるように水分を取り、必要に応じて早めに保湿します。「清潔にすること」と「洗いすぎないこと」のバランスを意識することが、乾燥や刺激によるかゆみを防ぐポイントです。

Q:かゆみを繰り返さないために自宅でできることはありますか?

日常生活では、皮膚の乾燥と刺激をできるだけ減らすことが基本です。入浴後には保湿を行い、肌に直接触れる衣類はチクチクしにくい素材を選びましょう。また、汗をかいたまま長時間過ごさない、暖房を使う季節は室内の乾燥にも注意する、爪を短く整えるなどの工夫も役立ちます。かゆい部分を冷たいタオルなどで一時的に冷やすと、掻きたい感覚が和らぐ場合もあります。

ただし、すべてのかゆみが生活習慣だけで改善するわけではありません。湿疹やじんましん、感染症などが原因の場合には、それぞれに適した治療が必要です。セルフケアを続けても改善しないかゆみや、何度も繰り返すかゆみでは「原因を確認すること」そのものが再発対策になります。症状が出る時間や場所、悪化するきっかけなどを記録しておくと、原因を考える際の手がかりになります。

この記事の監修医師
玉城 有紀(Yuki Tamaki)

東京(自由が丘、二子玉)と神奈川(川崎)で「自由が丘ファミリー皮ふ科」「二子玉川ファミリー皮ふ科」「溝の口駅前皮膚科」を運営する医療法人義恵会 理事長。

専門・所属学会
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 日本皮膚科学会
  • 日本美容皮膚科学会
  • 神奈川県皮膚科医会
出版書籍
メディア出演
  • めざましテレビ(フジテレビ)
  • ホンマでっか!?TV (フジテレビ)
  • ワールド極限ミステリー(TBSテレビ)
  • ありえん♾️世界(テレビ東京)
  • 林修の今、知りたいでしょ!(テレビ朝日)
  • ZIP(読売テレビ)

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