不眠症の原因は?治し方はあるの?不眠症を改善するための方法

「ストレスのせいなのか、なかなか寝付けない」

「不眠症は病院に行かなくても治せるの?」

なかなか寝付けず、寝てもすぐに目が覚めてしまい満足に睡眠が取れない不眠症。

満足いく睡眠がとれないと、心身ともに疲れてしまい日常生活にも支障が出てしまうおそれがあります。

この記事では、不眠症の原因や改善方法を紹介していきます。

不眠症とは?

不眠症とは、夜寝る時間なのに寝ることができず、生活に支障を及ぼす状態のことを指します。

何らかの形で夜に眠り続けることができず、そのために日中にも眠気、倦怠感などの心身の不調をきたし、生活に影響を及ぼすような状態のことをいいます。
引用:済生会

不眠症には下記の4つのパターンに分けられています。

・入眠困難
・中途覚醒
・早朝覚醒
・熟眠障害

それぞれのパターンを見てみましょう。

入眠困難

入眠困難とは、夜寝る時間なのになかなか寝付けない状態のことを指します。

入眠までに30分〜1時間かかり苦痛と感じる場合は入眠困難の可能性があり、不安や緊張が多い時に起こりやすいといわれています。

参考:八王子メンタルクリニック

中途覚醒

中途覚醒は、寝ている間に何度も目を覚ます状態のことを指します。

一度入眠はできても、眠りが浅いため夜中に何度も目が覚めてしまいます。

参考:八王子メンタルクリニック

早朝覚醒

早朝覚醒は、朝起きようとしている時間帯よりも早く目が覚めてしまう状態を指します。

起きようとする時間の2時間前以上前に起きてから寝付けない場合は、早朝覚醒の可能性があるといわれています。

参考:八王子メンタルクリニック

熟眠障害

熟眠障害は、質の低い睡眠をとることで起床時に満足した睡眠が取れたと感じられない状態のことを指します。

熟眠障害の場合、どれだけ睡眠時間をとっても、起床してから眠さや倦怠感を感じることがあります。

参考:八王子メンタルクリニック

 

これら4つのパターンは2つ以上の症状が重複して現れることが多く、パターンによって原因や治療方法が異なります。

不眠症の症状が続くと、仕事に集中できなくなるなど日常生活に支障をきたす可能性があるため、これらの症状が出たら早めに対処するのがよいでしょう。

 

不眠症の原因は?

 

不眠症の原因は主にストレスですが、4つのパターンに分けられます。

・環境的要因
・身体的要因
・生活習慣的要因
・心理的要因

それぞれの要因の具体的な内容を見てみましょう。

環境的要因

環境的要因とは自身を取りまく環境の変化によるものが原因となり、不眠症が引き起こされることを指します。

入学や入社、引越しなど環境が大きく変わることでストレスとなり、不眠症の症状が現れることがあります。

参考:東京予防クリニック

身体的要因

身体的要因は疾患など身体に現れる症状によるものを指し、体調不良による不調、アレルギーによる肌の痒み、呼吸器の疾患によるもの、うつ病などの精神疾患によるものなどが挙げられます。

この場合、不眠症の原因となっている疾患や症状を治すことで、不眠症の症状が改善されることがあります。

参考:茅場町こころのケアクリニック

生活習慣的要因

生活習慣的要因は、日々の生活習慣が原因で不眠症が引き起こされることを指します。

主な例は寝る前にスマートフォンやパソコンを長時間操作すること、喫煙、カフェインの摂取がなどが挙げられます。

心あたりがある人は、生活習慣を改めてみると症状が改善されるかもしれません。

参考:東京予防クリニック

心理的要因

緊張やストレスなど精神的・心理的なダメージを受けることで不眠症が引き起こされるケースは少なくありません。

イライラしている状態、悩みを抱えている状態が長く続くと不眠症につながる可能性があります。

参考:茅場町こころのケアクリニック

不眠症は根本的な原因となるものを見極めて、症状に合った治療を受けることが大切です。

原因となっているものは自分一人ではなかなか見極めにくいので、不眠症の症状が現れたら医師の診察を受けて、原因をしっかり突き止めるのがよいでしょう。

不眠症にはどんな治し方があるの?
自力で治すことはできる?

様々な原因によって引き起こされる不眠症。

インターネットで「不眠症」と検索すると様々な対策や治療法が出てきますが、実際に効果が期待できる治療法はあるのか、一つずつ見ていきましょう。

不眠症を治す食べ物はある?

バランスの悪い食生活を送っている人は、食生活を改善させることで睡眠の質を上げる効果が期待できる場合があります。

睡眠の質を上げるために必要な栄養素はグリシン、トリプトファン、GABAなどが挙げられ、豆乳やパン、バナナ、ヨーグルトなど比較的手軽に食べられる食材にも含まれています。

朝からこれらの食べ物を含んだバランスの良い食事を心がけることで、睡眠の質の向上が期待できるでしょう。

参考:阪野クリニック

不眠症を改善させるツボやマッサージはある?

画像出典:はらだ指圧マッサージ治療室

不眠の症状を完治させるわけではありませんが、マッサージによって症状を軽くする効果が期待できるツボがあります。

頭の頂点にある「百会」というツボは、不眠の解消や自律神経の乱れを改善させると言われています。

首の後ろにある「天柱」は疲労回復や自律神経の乱れを改善させる効果が期待できます。

足裏のかかとの中心にある「失眠」は不眠に悩んでいる人に効果が期待できるツボと言われています。

医療機関で根本的な原因の治療を行うことが大切ですが、このようにマッサージやツボで少しでも症状を緩和させたい人は押してみてくださいね。

参考:はらだ指圧マッサージ治療室

不眠症を治すサプリはある?

日々の食事だけでは摂取しづらい栄養素を手軽に摂取できるのサプリメント。

GABAなど睡眠の質を向上させるための栄養素をサプリメントで摂取することで改善は期待できますが、不眠症の根本的な治療にはなりません。

あくまでも補助として考えるのがよいでしょう。

不眠症に良いグッズはある?

睡眠の質を上げるグッズでは、下記のものが挙げられます。

・アイマスク
・遮光カーテン
・アロマオイル
・ハーブティー

・耳栓
・睡眠誘導ライト
・睡眠誘導音楽

直接不眠症を改善させるものではありませんが、少しでも睡眠の質が向上するようなアイテムが販売されているので、試してみるとよいでしょう。

インターネットでは不眠症に関する様々な治療法が掲載されていますが、あくまでも一時的に症状を緩和するもので、根本的な解決にはなりません。

根本的に治療するためには、医療機関での受診がおすすめです。

不眠症の場合は何科に通えばいいの?

 

不眠症の治療を受けるために何科で相談すればいいか分からない…という人も多いですよね。

環境の変化が原因の場合、精神的なストレスなど外的要因が関係している可能性があるため、ストレスを感じる場合やイライラする場合は内科、心療内科、精神科に相談してみるとよいでしょう。

身体的要因は病状が原因で起きるケースが多いため、アトピーによって不眠が引き起こされている場合は皮膚科歯ぎしりが原因の場合は歯科いびきによって眠りが浅い場合は耳鼻咽喉科というように、根本の病状を見て診療科目を決めることで早期解決につながります。

日中に強烈な眠気に襲われたり過眠の症状がある場合は、内科や精神科、心療内科だけでなく脳神経外科や呼吸器内科も検討してくださいね。

参考:まめクリニック

病院での不眠症の治療法は?

 

病院で不眠症の治療を受ける際、どんな治療法があるのか気になりますよね。

不眠症の治療法は「薬物療法」と「非薬物療法」の2種類に分けられています。

どのような違いがあるのか、それぞれの治療法を見ていきましょう。

薬物療法

薬物療法では、名前の通り睡眠薬などの治療薬を使用して治療を行います。

主に使用されているのは下記の3つの治療薬で、これらを一人ひとりの症状に合わせて処方しています。

GABA受容体作動薬 脳の働きを抑えて寝つきやすくする
メラトニン受容体作動薬 体内時計を調整する
オレキシン受容体血結坑薬 覚醒状態を抑える

睡眠薬を服用し続けると依存したり、効果が感じられなくなってしまうのはと心配になる人も少なくありませんが、現在病院で取り扱っている治療薬は副作用を抑えて作られているため、安心して服用できるでしょう。

医師の指示に従って、決められた用法・用量を守りましょう。

参考:あらたまこころのクリニック

非薬物療法

非薬物療法は治療薬を使わずに治療を行う治療法です。

医師が症状の詳細を聞き、不眠の原因となる生活習慣を改善できるように指導する「生活習慣の改善」では、適度な運動やバランスの良い食事などを取り入れます。

また、考え方と行動のパターンを変えるようアプローチする「認知行動療法」では、睡眠日誌をつけて現時点での睡眠状態を把握したうえで、不眠の原因となっている行動を見つけて改善していくというプログラムを行います。

薬物療法に比べて即効性がないのがデメリットですが、根本的な原因の解明とアプローチができるでしょう

参考:つくばねむりとこころのクリニック

市販の睡眠薬は効果があるの?

薬局やドラッグストアで販売されている市販薬は、強い眠気を起こす「抗ヒスタミン剤」という成分が含まれており、服用することで眠ることができるというものが一般的です。

ですが市販薬を服用し続けることで、依存や耐性を引き起こす可能性や、成分が強いことで翌朝にまで効果を持ち越してしまう可能性があるなどのデメリットが含まれます。

不眠症を治療する場合は医療機関で医師の診察を受け、医師の指示のもと治療薬を服用するのがよいでしょう。

参考:睡眠プライマリケアクリニック池袋

まとめ

不眠症は自力で完治させるのが難しく、ある日突然治るものではありません。

質の高い満足な睡眠が取れないことで日常生活にも支障をきたし、ストレスの原因にもなり悪循環になってしまいます。

少しでも早く症状を改善させるために、医師の診察を受けて質の高い睡眠を取り戻しましょう。