毛嚢炎(毛包炎)とは?できる原因や早く治す方法、うつる?治らない?など気になる疑問を解消!

本記事では、毛嚢炎(毛包炎)の症状や原因について詳しく説明しています。

毛嚢炎(毛包炎)とは

毛嚢炎(もうのうえん)とは、毛穴の奥にある毛根を包んでいる部分が炎症を起こすことを言います。毛包部にできた小さな傷から、細菌が繁殖して起こることが多いです。

毛嚢炎は毛包炎とも呼ばれています。通常は黄色ブドウ球菌を原因菌として、毛包が細菌感染を起こしている状態です。

毛嚢炎の特徴・症状

基本的には赤み、痛みを伴う炎症です。ニキビのような見た目をしているため、最初は気づきにくいです。ニキビと違う点は、痛みを伴うということ。

ニキビは毛穴に硬めの芯ができますが、毛嚢炎の場合は芯はできません。毛嚢炎は悪化するとおできや、しこりになる「せつ」になる可能性があります。

また毛穴の中心が膿を持った盛り上がりを見せることも、毛嚢炎の特徴です。

毛嚢炎ができやすい場所

女性の場合

女性の場合はおでこ、脇、太もも、VIOなどムダ毛が濃くて蒸れやすい場所にできる傾向にあります。また皮脂が分泌されやすい場所にもできる可能性が高いです。

毛嚢炎は皮膚が少し傷ついただけでもできることがあり、脱毛などでダメージを受けるとできやすくなります。

男性の場合

男性の場合は、顔や背中、胸などにできやすいです。原因は女性と同じで、皮脂が多く分泌されているからです。

またメンズ脱毛をしている方に多く、照射後に毛嚢炎ができやすい傾向にあります。ヒゲや顎、首などにもできる可能性が高いです。

毛嚢炎とニキビの違い

毛嚢炎とニキビは非常に似ています。ニキビも毛穴の炎症なので、毛嚢炎の一種と言えます。ただしニキビは毛穴に溜まったアクネ菌が増殖してできますが、毛嚢炎は毛穴にできた傷から細菌が繁殖する炎症です。

脱毛後や、ムダ毛処理をした後に起こりやすいのが毛嚢炎です。

毛嚢炎の原因

毛包部にできた小さな傷や、ムダ毛処理をした時に受けた肌ダメージが原因となることが多いです。毛嚢炎は、毛穴にできた小さな傷から細菌が入り込み、炎症を起こします。

原因となる菌は主に黄色ブドウ球菌や、表皮ブドウ球菌です。

原因①肌の免疫力が下がっている

毛嚢炎の原因の1つして挙げられるのが、肌の免疫力が下がっていることです。本来、肌にはバリア機能があり、細菌や乾燥から肌を守ってくれています。

肌の免疫力が低下しているとバリア機能も低下し、細菌が入り込んでも対応できなくなります。不規則な生活などで免疫力が下がっている時は、注意が必要です。

原因②清潔でない器具で毛を剃った

長い間使っている刃や、洗浄していないカミソリでムダ毛処理をするのは危険です。清潔でないカミソリを使ってムダ毛処理をすると、肌を傷つけてしまうおそれがあります。

その場合、傷ついた肌から菌が入り込み、繁殖して毛嚢炎になってしまう可能性が高いです。カミソリで剃った部分の毛穴から、菌が繁殖する可能性もあるため、ムダ毛処理をするときは清潔な器具を使いましょう。

原因③自己処理のしすぎ

カミソリや毛抜きなどでムダ毛処理を頻繁に行うと、皮膚の表面が傷つきやすくなります。そうすると肌のバリア機能が低下し、毛穴に菌が入り込む可能性が高いです。

そこで菌が繁殖すると炎症を起こし、赤くて痛み伴う毛嚢炎ができてしまいます。自己処理後は、必ずアフターケアをしましょう。

脱毛で毛嚢炎ができる理由

脱毛で毛嚢炎ができる方が多いと説明しましたが、その理由について詳しく解説します。正しくアフターケアを行なっていれば、毛嚢炎が起こる可能性を下げられます。

正しいアフターケアについても説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。

脱毛後はバリア機能が低下している

脱毛後は肌がダメージを受けていて、バリア機能が低下しています。肌のバリア機能が低下していると、毛穴の中に菌が入り込んでも対応できません

脱毛の施術後は、正しいアフターケアを行うことが大切です。とにかく肌を清潔に保ちましょう。一般的な方法として、汗をかいたらすぐに拭く、雑菌が繁殖しないように注意するなどです。

脱毛で毛嚢炎ができた時の対処方法
なるべく早く治す方法を解説!

毛嚢炎ができてしまうと、目立つので気になりますよね。そこで毛嚢炎ができてしまった時、少しでも早く治すための方法を説明します。

絶対にやってはいけないことも記載しています。毛嚢炎ができてしまったときは、とにかく触らない、清潔に保つことが大切です。

対処方法①潰さない

毛嚢炎を潰すと、治りにくくなります。毛嚢炎ができても潰さないでください。また潰すことにより、症状が悪化してしまう可能性もあります。

毛嚢炎は細菌が原因で炎症を起こしているので、潰すと他の部位に広がることもあります。「もしかして毛嚢炎?」と思ったら、すぐに医師へ相談しましょう。

対処方法②清潔に保ち、保湿する

とにかく肌を清潔に保ち、しっかりと保湿しましょう。毛嚢炎ができているときは、不潔な手で触らないでください。

不潔な手で触ると、さらに悪化してしまうおそれもあります。また適度な保湿をすることは重要です。

保湿は肌の免疫機能を回復し、毛嚢炎を防ぐ効果も期待できるのです。

対処方法③クリニックに相談する

「いつものニキビと違う」と感じたときは、毛嚢炎の可能性があります。毛嚢炎かもしれないと思ったら、クリニックを受診し医師へ相談しましょう。

市販薬も販売されていますが、医師に相談することでより自分の症状に合った薬が処方されます。

毛嚢炎が治るまでにかかる期間

症状が軽度の毛嚢炎であれば、自然に治ることが多いです。ただし正しいスキンケアや、肌を清潔に保った場合の期間です。

もちろん治るまでの期間には個人差がありますが、潰してしまったり、不衛生な手で触ったりすると悪化する可能性があります。

毛嚢炎の悪化を防ぎたいなら、潰したり不衛生な手で触ったりするのはやめましょう。

毛嚢炎の予防方法

脱毛後に毛嚢炎を発症してしまうことを防ぐために必要なことを説明しています。重要なことなので、ぜひ最後までお読みください。

これらの予防法は、脱毛クリニックでも言われることが多いです。しっかり守って実践することで、毛嚢炎の予防につながります。

予防法①肌を清潔に保つ

なによりも肌を清潔に保つことが大切です。肌を清潔に保てなければ、そこから細菌が繁殖し、毛嚢炎が起こる可能性があります。

毛嚢炎は黄色ブドウ球菌などが原因となります。少しの傷から菌が入り込むため、清潔に保つことがとても大切です。

予防法②保湿ケアを念入りに行う

脱毛の施術後は、肌が乾燥している状態です。肌が乾燥していると摩擦などで小さい傷がついてしまう場合があります。そのため脱毛の施術後は、保湿が大切です。

保湿は脱毛効果を感じやすくするためにも重要ですが、肌の免疫機能を回復し、毛嚢炎を防ぐ効果も期待できます。保湿クリームや化粧水などで、適度に保湿しましょう。

予防法③免疫力が下がっているときは刺激を避ける

免疫力が下がっていると感じたときは、肌への刺激を避けましょう。カミソリで自己処理をすると、肌が傷つきやすくなります。

免疫力が下がっている時に傷ができると、菌の繁殖を招いてしまうおそれがあります。そのため免疫力が下がっているときは、いつもより丁寧にケアをしましょう。

予防法④生活習慣を改善する

生活習慣の乱れは、毛嚢炎の原因となりかねません。生活習慣が乱れると、肌のターンオーバーが正常に行われず、バリア機能が低下します。

先ほども説明したように、肌のバリア機能が低下しているときは毛嚢炎が起こりやすいです。毛嚢炎を防ぐためには、食生活や睡眠などの生活習慣を見直す必要があります。

予防法⑤正しい方法で自己処理を行う

正しい方法で自己処理をしないと、肌を傷つけてしまうおそれがあります

自己処理を続ける場合は清潔な器具を使って正しく除毛することが大切です。毛抜きはできる限り使わず、剃刀は定期的に取り換えるか、刃を交換する習慣をつけましょう。

剃刀よりも電動シェーバーの方が肌への負担は少ないと言われます。ただし、電動シェーバーを使う場合も刃を清潔な状態にするように心がけることが必要です。

また自己処理した場合も除毛後のケアは忘れずに行うことも大切となります。

毛嚢炎に関するよくある質問

毛嚢炎は放置するとどうなるの?

毛嚢炎はクリニックを受診し、しっかり治療すれば数週間で治る場合が多いです。ただし潰したり、清潔を保つことができないと悪化して色素沈着を起こす可能性があります。

毛嚢炎がなかなか治らず、1年経っても跡が消えないようであれば、クリニックを受診しましょう。

毛嚢炎は市販薬で治せる?

すぐにクリニックを受診できない場合は、抗菌成分配合の市販薬(OTC医薬品)を試してみてもよいでしょう。

赤み(炎症)や痛みが強い場合や、軽快せず悪化していくなどの場合には原因菌に合った抗菌薬の外用や内服が必要となるため医療機関(皮膚科)を受診しましょう。

毛嚢炎は放置していると、せつやようなどより重い症状へと進行してしまうおそれもあります。

市販薬を試して、改善されない場合は必ずクリニックを受診してください。

陰部にできた毛嚢炎はどれくらいで治る?

他の部位と同じで、清潔に保っていれば1週間程度で治る場合が多いです。ですが、隠部は清潔を保つのが難しい部位です。

お風呂で擦りすぎないようにしたり、専用のソープを使ったり工夫が必要です。清潔に保つことで毛嚢炎の進行が抑えられる可能性があります。

毛嚢炎はうつる?

結論から言うと、毛嚢炎はうつりません。毛嚢炎は肌のバリア機能が低下し、小さな傷などから黄色ブドウ球菌などが入り込み、炎症を起こすものです。他人にうつることはありません。

ただし自身の肌には他の部位に毛嚢炎がうつることがあるので、毛嚢炎の症状が出たら早めに病院で診察を受けるなど、症状が悪化しないよう気をつけましょう。

おしりの毛嚢炎の原因は?

おしりは下着などの摩擦で傷つきやすく、蒸れやすい部位です。傷ついたおしりに菌が入り込み、繁殖するのが主な原因です。

蒸れやすい部位は菌が繁殖するのに好都合な場所で、毛嚢炎が出やすい可能性のある部位でもあります。お風呂で洗うときは、ゴシゴシと擦るのではなく優しく撫でるようにしてください。