医療レーザー脱毛には蓄熱式・熱破壊式という2種類の照射方法があります。
この2種類の照射方法には仕組み・効果にどのような違いがあるのでしょうか。
またネット上では「蓄熱式脱毛は効果が感じられない」「熱破壊式脱毛の方が良い」といった情報を目にすることもあり、実際はどうなのか気になりますよね。
この記事では蓄熱式脱毛の仕組み・効果をはじめ、熱破壊式脱毛との違い等も解説します。
照射方法のみならず3種類のレーザーの特徴と違いも説明しているので、ぜひ参考にして自分に合った脱毛器を選ぶのに役立ててくださいね。
- 蓄熱式脱毛・熱破壊式脱毛の基礎知識
- 蓄熱式脱毛の効果等に対するギモンへの回答
- 医療レーザーの種類や特徴
目次
蓄熱式脱毛とは
出典:ジェニークリニック
蓄熱式脱毛はバルジ領域をいう組織を破壊することで脱毛する仕組みですが、そもそもバルジ領域とはどのような組織なのでしょうか。
ここでは蓄熱式脱毛で毛が抜けるメカニズム、また効果の現れ方や施術回数の目安などを解説します。
蓄熱式脱毛が向いている部位・毛質・肌質についてもまとめているので、自分に合う照射方法かどうかチェックしてみてくださいね。
①蓄熱式で脱毛できるメカニズム
蓄熱式脱毛とは、低出力のレーザーを連続照射し蓄積した熱でバルジ領域を破壊する仕組みです。
バルジ領域は皮膚の浅い部分にあり、毛を作る毛乳頭という部分に指令を出して発毛を促す組織。
レーザーを低出力で連続照射し熱を蓄積してバルジ領域を破壊することで、発毛を抑制することができます。
②蓄熱式の効果
蓄熱式脱毛は細く薄い毛やさまざまな肌質への施術が可能ですが、熱破壊式脱毛と比較すると1回ごとの施術の効果が現れるまでに時間を要することが多いです。
毛根の毛乳頭・毛母細胞へ直接アプローチする熱破壊脱毛に対して、蓄熱式脱毛は毛を作る指令を促すバルジ領域へアプローチします。
そのため効果が現れるまでには3〜4週間と時間が掛かることが多いですが、アプローチ方法が異なることが理由であり効果が劣っているわけではありません。
③蓄熱式の施術回数の目安
蓄熱式脱毛で脱毛完了までにかかる施術回数の目安は、5~8回程度です。
効果や期間には個人差があり施術部位によっても回数は変わりますが、2ヶ月に1回のペースで通院する場合1年~1年半程度が目安になります。
自己処理がほとんど不要となる程度であれば5回、産毛まで完全に脱毛したい場合は8回程度と考えましょう。
④蓄熱式で向いている部位や毛質
蓄熱式脱毛は顔や背中などの細いく薄い毛、日焼け肌・色黒肌・色素沈着した肌への脱毛に向いています。
低出力のレーザーを連続照射し蓄積した熱でバルジ領域を破壊する仕組みなので、細くメラニン色素の少ない毛であってもバルジ領域へ十分に熱が伝わるためです。
また蓄熱式脱毛は低出力のレーザの連続照射なので、日焼け肌・色黒肌といったメラニン色素の量が多い肌であっても施術することができます。
熱破壊式とは
出典:ジェニークリニック
熱破壊式脱毛は毛穴の深い部分にある毛乳頭・毛母細胞という組織を破壊する仕組みですが、バルジ領域を破壊する蓄熱式脱毛とはどのような違いがあるのでしょうか。
ここでは熱破壊式脱毛のメカニズム、また効果の現れ方や施術回数の目安などを解説します。
熱破壊式脱毛が向いている部位・毛質についてもまとめているので、蓄熱式脱毛の内容と比較しながらチェックしてみてくださいね。
①熱破壊式で脱毛できるメカニズム
熱破壊式脱毛は、高出力のレーザーを1発ずつ照射し、毛根にある毛乳頭・毛母細胞を破壊する仕組みです。
毛乳頭・毛母細胞は毛根の最下部にある毛球の中にあり、毛を作る働きを持つ組織です。
熱破壊式脱毛ではこの毛乳頭・毛母細胞に直接高出力のレーザーを照射して破壊することで、発毛を阻止または抑制します。
②熱破壊式の効果
熱破壊式脱毛は濃く太い毛への脱毛に向いていて、照射から1〜2週間で効果が現れることが多いです。
毛を作る指令を促すバジル領域へアプローチする蓄熱式脱毛に対し、熱破壊式脱毛は毛を作る働きを持つ毛乳頭・毛母細胞へ直接アプローチします。
そのため施術毎の効果は、照射から1〜2週間と比較的早い段階で現れることが多いでしょう。
③熱破壊式の施術回数の目安
熱破壊式脱毛で脱毛完了までにかかる回数の目安は、蓄熱式脱毛と同様に5~8回程度です。
効果や期間には個人差があり施術部位によっても回数は変わりますが、2ヶ月に1回のペースで通院する場合であれば1年~1年半程度が目安になります。
自己処理がほとんど必要ない程度であれば5回、産毛まで完全に毛を無くしたい場合は8回程度と考えましょう。
④熱破壊式で向いている部位や毛質
熱破壊式脱毛は、VIO・ワキなど濃く太い毛の脱毛に向いています。
毛乳頭・毛母細胞に高出力なレーザーを照射して破壊するので、濃く太い毛であってもしっかりと熱が届きます。
ただし熱破壊式脱毛はメラニン色素に反応する仕組みで、日焼け肌・色黒肌へは照射できないため注意が必要です。
蓄熱式脱毛の疑問に回答!
蓄熱式脱毛に調べていると「蓄熱式は効果を感じにくい」「熱破壊式の方が効果を感じた」などの噂を目にする事があります。
熱破壊式脱毛とはアプローチする部分やレーザーの出力が異なる蓄熱式脱毛ですが、効果に違いはあるのでしょうか。
ここでは蓄熱式を採用しているクリニックや効果・デメリットなど、気になる内容を解説していきます。
蓄熱式は効果がないと言われるけど本当?
インターネット上で「蓄熱式脱毛は効果を感じにくい」といった情報を目にする事がありますが、実際は蓄熱式と熱破壊式で効果に大きな差はありません。
「効果を感じにくい」と言われる大きな理由は、蓄熱式は熱破壊式よりも効果を実感するまでに要する期間が長いことです。
照射後1〜2週間で効果を感じることの多い熱破壊式に対し、蓄熱式は3〜4週間と長い期間を要します。
このように効果を実感するまでの期間に差はありますが、効果自体に大きな差はありません。
蓄熱式にデメリットはある?
蓄熱式脱毛のデメリットは、効果を感じるまでに時間が掛かることです。
毛を作る指令を促すバルジ領域へのアプローチなので、効果を感じるまでの期間は3〜4週間と長め。
熱破壊式と効果自体の差はありませんが、効果を感じるまでには熱破壊式の2倍ほどの期間を要することもあります。
蓄熱式を採用している医療脱毛クリニックを教えて!
レジーナクリニック | リゼクリニック | フレイアクリニック | |
脱毛器 | ソプラノアイスプラチナム ソプラノチタニウム |
ラシャ メディオスターNeXT PRO |
メディオスターNeXT PRO メディオスターモノリス |
レーザーの種類 | アレキサンドライトレーザー ダイオードレーザー ヤグレーザー |
ダイオードレーザー | ダイオードレーザー |
全身脱毛の料金 (税込) |
1回:192,500円 | 1回:81,800円 | 1回:72,600円 |
蓄熱式の脱毛器を採用しているクリニックの、脱毛器・レーザーの種類・全身脱毛の料金をまとめました。
表の通り同じ蓄熱式であっても、脱毛器によってレーザーの種類が異なることもあります。
蓄熱式脱毛ができるクリニックを探す場合もそれぞれのレーザーの種類を把握して、自分に合う脱毛器を採用しているかチェックしてみることをおすすめします。
蓄熱式脱毛後、何日で毛が抜ける?
蓄熱式脱毛で、毛が抜けるまでに掛かる期間の目安は施術後3〜4週間程度です。
毛根に直接アプローチするわけではなく、毛を作る指令を出すバルジ領域を破壊する仕組みなので効果が現れ毛が抜けるまでには時間を要します。
蓄熱式は産毛にも効果がある?
蓄熱式脱毛は、産毛へも効果を期待することができます。
産毛はメラニン色素が薄いため、他の毛に比べてレーザー照射の効果を感じにくいといわれることも。
ですが蓄熱式脱毛は低出力のレーザーを連続照射し蓄積した熱でバルジ領域を破壊する仕組みなので、産毛のような薄く細い毛であっても十分に熱が届きバルジ領域を破壊できます。
医療レーザーの種類
出典:ジェニークリニック
ヤグレーザー | アレキサンドライトレーザー | ダイオードレーザー | |
照射方式 | 蓄熱式 熱破壊式 |
熱破壊式 | 蓄熱式 熱破壊式 |
深さ | 1064nm | 755nm | 800nm〜 |
主な脱毛器 | ジェントルマックスプロ ソプラノチタニウム |
ジェントルマックスプロ ジェントルレーズ |
ライトシェアデュエット ソプラノチタニウム |
おすすめの人 | 毛が濃く太い人 産毛まで脱毛したい人 日焼け肌・色黒肌の人 |
毛が濃く太い人 | 産毛まで脱毛したい人 日焼け肌・色黒肌の人 |
医療脱毛器に搭載されているレーザーは表の通り主に3種類あります。
3種類のレーザーはそれぞれ深さが異なり、また向いている毛質・肌色なども異なります。
クリニック選びの際は照射方法のみでなく、レーザーの種類も合わせてチェックできるよう特徴を理解しておきましょう。
ヤグレーザー
ヤグレーザーは1064nmと3種類の中で最も波長の長いレーザーで、皮膚の深い部分にある毛を作る組織まで熱を届けることができます。
濃く太い毛・産毛・日焼け肌・色黒肌など幅広い毛質・肌質に向いているレーザーで、主な脱毛器はジェントルマックスプロ・ソプラノチタニウムです。
脱毛器の照射口が狭いので、照射範囲の広い部位の場合は施術に時間が掛かります。
アレキサンドライトレーザー
アレキサンドライトレーザーの波長は755nmと3種類のレーザーの中で最も短く、メラニン色素への反応が優れているレーザーです。
そのため足やワキなどの濃く太い毛に向いている反面、日焼け肌・色黒肌へは基本的に照射できません。
主な脱毛器はジェントルマックスプロ・ジェントルレーズです。
ダイオードレーザー
ダイオードレーザーの波長は800nm〜で3種類のレーザーの中では真ん中の長さです。
メラニンへの反応やレーザーが到達する深さも3種類の中間程度です。
濃く太い毛への効果はヤグレーザー・アレキサンドライトレーザーにやや劣りますが、産毛・日焼け肌・色黒肌などにも向いているバランスの取れたレーザーです。
【まとめ】蓄熱式医療脱毛でツルツルになろう!
蓄熱式脱毛のメカニズムや効果、また熱破壊式脱毛との比較を解説してきましたがいかがだったでしょうか。
それぞれの照射方法のメカニズムや3種類のレーザーの特徴を理解すれば、脱毛したい部位の毛質や肌質に合った脱毛器を選ぶことができます。
自分の希望に合った脱毛器を見つけてクリニック選びに役立ててくださいね。